ご挨拶 - 日本技術創造

㈱日本技術創造のミッション

 昨年からの世界的な金融不況により日本の輸出産業は大打撃を受け、日本は大不況に突入しました。メディアで一部の企業の雇用問題が大きく取り上げられたこともあり、モノづくり産業が日本の不況を招いたかのような批判的な論調が所々で聞かれます。

 平時の強みが異常時には弱みになることはままあることで本質を見誤ってはなりません。環境・エネルギー問題等、地球の未来を左右する問題解決のためには不断の技術革新が必要であり、そういった面で日本のモノづくり産業は強みを持っています。私共はこの不況脱却原動力となるのはモノづくりの技術をより一層世の中の発展に役立つものへ高めていこうとするチャレンジスピリッツであると考えます。これからもモノづくり産業は日本の発展のための礎でなくてはなりません。

 そして、忘れてはならないのは、日本のモノづくり産業はトヨタやソニー等大企業だけで成り立っているわけではないということです。企業の90%以上は中小企業です。それら底辺である中小企業が大企業を支えているのです。

 今、たいていの中小企業は大きな岐路に立たされています。特に小規模企業はこのままいけば今年から来年にかけて廃業が加速する恐れが非常に高い状況です。それは単に大不況に陥ったからであるだけでなく、将来への漠然とした不安、そして職人魂の継承が難しくなっている諸状況によるものと考えます。中小企業が長年培ってきたモノづくりの技術をいかに絶やすことなく継承していくかが喫緊の課題といえましょう。

 私共は公的な支援や施策が必須とは考えません。それらよりもどんなに苦しくても自ら立ちあがり自らの足で山を登っていこうとするそのスピリッツを忘れないことこそが一番必要なことと考えます。そのため、私共は自らのモノづくり技術を高めていくのはもちろんのこと、中小企業の一員としてその先頭にたって引っ張っていく役割を担う覚悟です。私共はこれからの中小モノづくり企業のありようを東京鋲螺工機㈱で実践してまいります。

2009年5月

㈱日本技術創造 代表取締役 高味寿光

設立の経緯

 近年、後継者不在や大企業の工場海外移転等で廃業される、もしくはその検討をされている中小企業が増え、日本のモノづくり力の衰えが懸念されています。特に昭和30年代、40年代に創業された優秀な企業が2代目、もしくは3代目に代替わりするにあたり後継者がいてもこの厳しい時代を乗り越えるだけの力量がないために泣く泣く廃業されるケースは非常に残念でなりません。実際中小企業、特に売上高10億円未満の小規模企業の人材難は深刻です。

 私たち㈱日本技術創造はそういった状況に危機感を覚え、何とかより多くの企業が次の世代に存続する方法がないか探ってまいりました。
 2006年夏、創業し、その年の10月に東京鋲螺工機㈱を事業承継いたしました。まだまだ事業モデルを試行錯誤しているところですが、私どもが直接事業承継にいたらなくても中小企業にひとつの選択肢を提供できるものと確信しています。